Night Walk

多趣味アラサー女子の戯言

大学デビューした人間のいつメン(死語)Tシャツの思い出

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

 

あなたには、「エモいTシャツ」というものはあるだろうか?

 

例えば、デートの時に元彼が着てきたちょっとヤバめなサイケデリックな猫がたくさん描かれていたダルダルのTシャツや、元推しがラジオ収録で着ていた同じくやばめなウマヘタな猫が1匹描かれているTシャツや、大好きなアーティストの初来日ライブでギリギリに到着してしまったため買うことが敵わなかったバンドTなど、なにかと思い出があるTシャツというものは存在する。見るだけで甘酸っぱくなったり、少し寂しくなったりする。(全て実話である)

その中で、今回は私のとびっきりのエモいTシャツについて話したいと思う。

 

私は、所謂大学デビュー組だった。

中高と部活漬けの生活をしていて、スカートの丈を短くしたことも、髪を染めたこともなかった。朝早くに学校に行って練習、終わるのは夜遅く。夏休みも冬休みもほぼなかった。化粧をしていた高校の同級生にびっくりしてたし、男女のグループなんて都市伝説だと思っていた。

そんな典型的陰キャな中高を過ごした私は、東京の大学に進学し、少しでも自分が味わって来なかった「青春」を味わおうと、サークルに入ったり、新しい友達を作ったりと、今までなかった自由を謳歌していた。

 

そして、大学2年の頃、私は思い描いていた「青春」に出会う。

所属していた学部では、2年生でゼミが始まり、半年毎に好きな教授のゼミを選択できた。3年から本格的な卒論研究のためのゼミナールが始まるため、いわばお試し的なゼミである。大学には一般的なクラスは存在しないので、このゼミがいわば中高におけるクラス的な立ち位置になる。半年とはいえども、6ヶ月間研究テーマを決め、グループで研究をしなければいけない。

そこでグループになったのが、私が中高の頃に幻だと思っていた男女グループだったのだ。その当時の私は、いやマジで私にもあるんだこんなこと、と思った。マジで漫画の世界だけだと思ってた。そのグループは、私と女友達、そして男友達3人の5人構成されていた。私たちはすぐに打ち解け、そしてよく一緒に過ごすようになった。"ノリ"が異様に合ったのだ。ラインのトークはすぐ会話の応酬でいっぱいになった。正直私たちがそのゼミの中で一番仲が良かったと思う。

 

そこからは「青春〜!!」みたいな日常だった。中高の隠キャな私が知ったら失神するレベルでアオハル!である。私は案の定その中の一人のことを好きになったし、友人も別の男の子を好きになりすったもんだの上、付き合ったりした。みんなでディズニーランドにも行ったし、お泊まり会もした。え、私の恋はどうなったかって?好きになってからすぐ、彼が私の別の友人と付き合ってることが発覚したよ馬鹿やろう。マジで漫画かよ。そんな日常が続いたのである。

 

そして、夏のある日、私たちはついに旅行にいくことにした。場所は群馬。かなり渋めだが、みんなで決めて初めての旅行だった。お金は勿論ないので、車で行って安い宿に1泊をする算段である。特になにも決めてないが、ただワクワクだけが頭に浮かんでいた。多分全員そんな感じだった。別に場所などどこでもいいのだ。ただみんなでどこかにいき、同じ経験をみんなで共有することが大事なのだ。

私はその日程が近くなか、「旅行に向けてなにかしよう!」と提案しに男友達Aの部屋を訪れていた。彼の部屋はよくみんなが集まる集会場的な立ち位置で、私にとっても勝手知ったる部屋だった。その時はAしかいなかったので2人で話し合い、「なんかお揃いのものあったらいいよね!」と、クラスTシャツならぬグループTシャツを作ることにした。

 

ただし、高校のクラスTのように発注するとなると日程的にも金額的にも間に合わない。そこでAは言ったのだ「俺たちで描けばよくない?」と。今思うとだいぶとち狂った発言だと思う。しかしその時、私たちは初めての旅行への高揚感に、感覚が狂っていた。それを受けて私は、こう言っていた「それだ〜〜!」と。

 

二人でそのまま、ユニクロに向かった。安そうな無地のTシャツといえばユニクロである。ユニクロにいくだけでもやけに楽しかった。ただ無地のTシャツを人数分買うだけなのに、お祭りに浮かれた若者そのものである。Aとやたら真剣に"俺たちに最適なTシャツ"を選ぶ。正直どれも一緒だろう。しかし、その時は「最適な」ものが存在していたのだ。

お目当ての無地のTシャツを購入した後、そのままAの家に戻り、馬鹿になりながらTシャツを作成した。勿論デザインセンスは皆無のため、すべてノリでデザインを決めた。適当にAの家にあったアメリカン○ーグルのロゴを真似て背中側に入れたり、私たちのロゴ勝手に作成し、胸のあたりに書いたり。Aとどんな会話をしたのかはさっぱり覚えていないが、やけに爆笑していた記憶がある。そういうのが、大学生というものである。内輪ノリが至極であり、ノリで全てが決まることが楽しくてそして少し嬉しい。

そして二人で出来上がったTシャツを眺め、お互い満足そうに頷いた。当日までの私たちの秘密にしようと笑いながら。

 

当日、私とAは他のメンバーに「グループTを作った!」と自慢げに言いお手製Tシャツを手渡した。メンバーも大喜びし、みんなで早速お揃いで着ることにした。そこから旅行中、私たちは全員そのTシャツを着て過ごした。

一つ一つの経験を共有しながら、笑って、笑いすぎて泣いて、1泊2日の私たちの初めての旅行はすぎていった。群馬にいったらしいが、ちなみにこちらも同じく内容はほぼ覚えていない。青春とは記憶が消えることなのかも知れない。とにかく"楽しい"という感情だけが残っている。

 

前置きがひたすらに長くなったが、私にとってこのグループTシャツはいわば"青春の塊"なのである。作った過程も、着た記憶もエモでいっぱいだ。適当なデザインも愛おしい。

あの時、たった一瞬の煌めきだった大学時代の青春が詰め込まれている。

 

まぁ、こんなことはいいながらも、このTシャツは現在母親の寝巻きとなっている。